科学の教室D クリスマスレクチャー(講演会)
 『系外惑星の発見による宇宙観・生命観の大変革
佐々木貴教先生 (京都大学大学院理学研究科宇宙物理学教室)
 2016年12月14日(水) 15:40〜17:00 /本校大会議室
 
 2学期期末考査後の水曜日の放課後、今年度第5回目の『科学の教室』を開催しました。毎年この時期には「クリスマスレクチャー」と題して科学の講演会を開催しています。今回は京都大学の佐々木先生に来ていただき系外惑星のお話をしていただきました。(系外惑星とは太陽系の遥か彼方の恒星の周囲を公転する惑星のことです)
 講義は4部構成になっていて、@系外惑星発見の歴史、A系外惑星を見つけ出す視線速度法とトランジット法の解説、B数千個の系外惑星の発見を通して宇宙には地球に似た惑星がたくさんあることが分かったこと、C系外惑星研究の近未来と人類の宇宙観・生命観について、でした。Earth2.0や地球の従兄弟惑星の発見など、ごく最近の大発見の話もしていただき、系外惑星研究の急速な発展に驚きました。最後に地球外生命の存在に関わって「フェルミのパラドックス」の話をしていただき、地球文明の将来について深く考えさせられました。
 宇宙は多くの高校生にとって知的好奇心の対象であり、1年生を中心に23名の生徒が参加しました。視線速度法やトランジット法などの観測技術についても分かりやすく説明していただき、ほとんどの生徒は理解をして科学的観測のすごさに驚いていました。講演後の質問の時間には宇宙に関する様々な質問が次々に出され、佐々木先生には丁寧に分かりやすく答えていただきました。観測技術の飛躍的な向上や新発見をめぐる熾烈な競争により、すさまじいスピードで発展する系外惑星研究のお話に、科学研究の面白さを十分に感じることができたクリスマスレクチャーでした。

 
 
 
 
     
 
 
  参加者の感想

● 宇宙は地球のような惑星であふれていて、今この瞬間にも不思議が解明されつつあることに驚きました。他の星に惑星があるかどうかを発見する方法がまた魅力的で、一つの方法でその星の情報としてたくさんのことが分かるのがまた驚きでした。夜、星を見る時には見えている星以上のたくさんの星があふれており、まだまだ不思議や謎が多いけど、いつか分かってくる日が来ると思いながら見たいです。

ずっと気になっていた分野の講演だったので本当にためになりました。宇宙はこれから先どんなに長い時間をかけても全てを解明できない世界の一つだと思うし、それでも調べて分析して話をされている姿を見て、楽しそうな分野だと感じました。内容もとてもおもしろく、専門的な言葉や観測方法も知れました。地球外文明について、とくに最後に投げかけられた「Where are they?」という矛盾では、宇宙の謎めいたところや壮大さを実感できとても楽しかったです。

系外惑星の具体的な発見の方法は知らなかったので、発見の方法が知れてよかった。望遠鏡で観測するだけでたくさんの情報が分かることが驚きだった。自分たちが生きている間に地球外生命体を発見できて見れたらいいなと思った。

系外惑星の観測に着手してから30年もの月日が経ってやっと初めての系外惑星が発見されたと分かった。そして系外惑星の発見を皮切りに、ここ20年で数々のブレイクスルーが起きていることも分かった。系外惑星の観測はまず観測できること自体が驚くべきことなんだと思った。それは電灯のすぐそばを舞っている塵を一つ見つけるようなものらしく、やっぱり身近なものに例えられるとよく分かった。惑星というものは恒星の近くにいて、その恒星の圧倒的な光量により直接的な観測ができず、間接的な観測をしていることも分かった。しかも、その手法により惑星の大気の構成物質や大きさなども分かると知った。もはや脱帽する域に入っている・・・。今回の科学の教室はとてもおもしろかったです。(2年・男子)

● 今回の講演の「系外惑星の発見」はとても興味が持てるものでした。宇宙の話は元から好きだったのですごく楽しく聞かせてもらいました。一番驚いたことは地球と同じような惑星が銀河系にある惑星の半分を占めているという事です。地球のような星は珍しいからそんなにたくさんはないだろうと思っていたので、たくさんあると知って宇宙はまだまだ不思議な事が多いなあと思いました。今一番興味があることは地球外生命体についてです。水や酸素がある惑星があると知ったので、きっとたくさんいるんだろうなと思って早く発見されるといいなって思いました。本当に楽しくてもっと宇宙について知りたいと思いました。(1年・女子)

● 今まで宇宙という分野について学校の授業以外で詳しい話を聞いたことがなく、今回の講演は初めての経験でした。今回の講演で知ったことは、宇宙は私たちが想像しているよりもはるかに大きく、とても多くの謎がまだまだ存在しているという事でした。今までの私の考えでは、地球のように生命が存在している惑星はごくわずかだと思っていたのに、地球のように水があって生命がいて、生きていける環境がある可能性がある惑星があるということにとても驚いたし、すごく面白いなと思いました。今までは全くと言っていいほど宇宙の知識も興味もなかったけれども、今日の講演を聞いてもっと宇宙について知りたいと思いました。(1年・女子)

● ずっと前から楽しみにしていて、今日を迎えてすごく楽しい一時間でした。太陽系外惑星の見つけ方では、天体望遠鏡でしか探すことはできないと思っていたけれど、光の波長や引力でも見つけられるという事を知って驚きました。60年間ほど見つけられなかったのに、一個見つかるとたくさん他の惑星も見つかったという事を聞いて、常識にとらわれないことは大事なんだなと改めて先生の話を聞きながら思いました。また地球のような惑星はせいぜい100個くらいしかないんだろうなと思っていたら、想像以上に同じような惑星が見つかっているという事にも衝撃を受けました。それでも地球のような文明がある惑星が見つかっていないのは本当に不思議だなと思うし、まだまだ宇宙には解明されていないことがたくさんあるのかと思うと、これからが楽しみだなとも思いました。質問にも答えていただけ、短い時間でしたが本当にワクワクする一時間でした。また星を見上げてみようと思いました。(1年・女子)

● もともと天体など宇宙の研究や発見に興味があったが、一層その魅力を感じることができた。とくに「系外惑星の発見」ということで銀河系内の惑星の発見や、それからのたった20年での急速な発展など、もともとあった本やネットなどで得た知識に重ねて専門の研究をじかに知ることができ価値のある場になった。しばしばあった論理の話や、完全に専門的な部分の話、例えば宇宙の始まりや存在の事、地球外での知的生命は十分にありえる話であるのに、なぜこれまでのところ接触がないのかなど、理解には難しいが興味をそそられるような話も多々あり時間が短すぎるように思えた。(2年・男子)

● 宇宙については昔から大好きだったけど専門知識が必要だったり、難しい話なので頭がよくないと理解できないというイメージが少しありました。一般人は夜空を見たりワイワイ騒ぎながら望遠鏡を見る事しかできない、そう思っていました。でも今回の講演を聞いて印象ががらりと変わりました。「宇宙の話って思っていたより難しくないんだ。私みたいな高校生でもわかるんだ。」。きっと難しい話を話そうと思えばいくらでも話せたと思います。(だって質問の時間に難しい質問が何個かあって先生も難しい言い方をしていたから・・・)。だけど先生は分かりやすく噛み砕いて面白く私の好奇心や興味を引き出すような講演をしてくれました。何より話している先生自身がとても楽しそうだったので、私も引き込まれたんだと思います。こういう所が小学校、中学校、高校の授業と違うのかなと思いました。小学校、中学校、高校の授業は教科書に沿って、教科書通りに進んでいくのでつまらなくなってしまうこともあります。大学の授業が今回の講演のような様子でやっているのか私には分かりません。でもこれだけは言えます。「先生の授業は面白い!!」。自分が面白い、すごいと思ったことを他人に伝えたい、知ってもらいたい、素晴らしさを感じてほしい。そう思い相手に伝えるにはどうしたらいいだろうかと考え、試行錯誤をやっている人の話を聞くのは楽しいし、面白くて分かりやすいです。私も大学に行ったら先生のような人の授業を受けてみたいです。もしもまた講演を聞く機会があったら次はもっと宇宙の事を知りたいし、物理学の先生に時間についての話を聞きたいし、生物の進化についての話などいろいろな事を聞いてみたいです。(1年・女子)

● 系外惑星が初めて発見されて以来、わずか20年で膨大な数の惑星が発見され、その組成や大きさまで分かるにも関わらず、映像としては見えないというパラドックス的な点が宇宙なんだなあと改めて感じさせられました。しかし、それゆえに我々の好奇心や想像力をかきたててくれる分野なのですね。時間と空間が同じ、宇宙はどんどん膨らんでいる、もう謎だらけ、頭の中はハテナだらけです〜!!。が、とっても楽しい講義でした。佐々木先生ありがとうございました。(先生)

● 夢のあるお話、ありがとうございました。宇宙、惑星について解き明かされている点が少しずつ増えてきていること。しかしその一方でいまだ謎のままの点も多々あること。不思議ですね。全て分かろうとすることがいけないのか、謎は謎のまま置いておく方が良いという事なのか。何か全てに通じるような気がします。「分からない事、知らないことがある方が良いのかと」。とにかく夢のある興味を持たせる講演ありがとうございました。(先生)